『FQKids』VOL.14 2023 SPRING ISSUE 掲載

東京ソラマチに「ラングスキッズパーク」が3/24〜5/7の期間限定で開催され、多くの親子連れがスポーツトイを体験した。スポーツトイで身につく力について、小林ホールディングス社長で精神科医の小林医師にお話を伺った。

12歳までに鍛えたい36の動きがすべてつまったスポーツトイ

—— ボール遊びで身につく力は?

ボールは全身を使って投げるので、筋力向上のほか、位置や方向・形状・姿勢・間隔・速度など三次元空間における空間認識能力が鍛えられます。プロ野球選手などのトップアスリートは、複数のスポーツ経験があるというデータもあります。1つだと動作が限られます。スポーツトイなら、運動の基本となる動きが身につきます。

—— 基本となる動きとは?

幼児期から小学生低学年までの運動発達が著しい時期に身につけたい動作が、文部科学省が推奨する「36の基本動作」で、立つ、持つ、投げる、乗る、つかむ、こぐ、当てる、取るなどです。
私自身小さい頃から、ブーメランを投げたりリップスティックに乗ったり、勉強そっちのけで遊びに夢中でした(笑)。中学で野球部に入り、速球なのですぐにレギュラーになりました。野球に必要な動きのパターンを、幼少期にすでにスポーツトイで経験していたからだと思います。

—— リップスティックで鍛えられる力は?

バランス感覚と体幹です。体幹が強いと、内臓の働きや代謝も活発になり、風邪もひきにくくなります。体全体の筋肉を効率的に動かすことができ、様々なスポーツをするうえでも非常に有利になります。12歳くらいで神経系の発達はほぼ完成しますから、小学生のうちにたくさんの遊びを経験しておくことが大切です。

写真/松尾夏樹 文/脇谷美佳子